もんじゃってなんじゃ?
水曜日, 11月 5th, 200812時48分地下鉄銀座線浅草駅。もんじゃ焼きでも食べてみるか。上野に用事があり、せっかく食べるならちょっと浅草まで足を伸ばすかとやってきた。いろいろな制服の修学旅行生の間を抜け、雷門をくぐり浅草寺近くの「ひょうたん」という店に行く。昼も過ぎたがテレビでも取り上げられたこともあってか、店の前には10人近くが並んでいたので、順番待ちの名前を書いて待つことにした。関西出身の自分にとって、正直お好み焼き、たこ焼きを差し置いてまでして、わざわざもんじゃ焼きを食べようとは思っていなかったが、東京に出て3年、まぁ一度くらいは程度に思っていた。
△ご存知浅草雷門(上)。どどーん(左下)。浅草「ひょうたん」(右下)
ところが、長い順番待ちをしつつ、何気なく目に入ったメニュー横の『もんじゃ焼きの由来』という説明書きに、『もんじゃ焼きの呼び名は生地がゆるく、鉄板の上に“文字”を書いて遊んだことから「文字焼き(もんじやき)」となり…』と書いてあるのを見た途端に一気にテンションが変わる。長く待たせられたイライラも吹き飛び、まだかまだかと中を気にして覗き込む。店員に呼ばれるが先に店の中に入りテーブルに着いた。ここはシンプルにベーシックな「江戸もんじゃ」を注文。すぐに持ってきてくれた具が入った器を持って、テーブルに置かれたもんじゃ焼きの作り方を読みながら具を鉄板に流し込む。鋳造の開始だ。具で円形の土手(母型?)を作りゆるゆるの汁を真ん中に流し込んだ。やはり初めての経験なので勝手がわからず、となりの席の様子をうかがいながら汁と具を混ぜ合わせる。だんだん粘りが出て来たところでいよいよ文字の鋳込みの開始だ。もちろん迷わず「文」をコテで書いてみる。こんなお行儀の悪いことをして大丈夫かと思いつつも、何度か試してみるが、なかなか形がうまくとどまらない。他の文字も試してみたが、形をとどめておこうとするのは難しい。書いても書いてもすぐに文字は消えて行く。波打ち際の砂浜に、書いては消える文字が…と言えばロマンチックかもしれないが、もんじゃ焼きの生地にそういうムードは持ち合わせない。なんとかベストショットをカメラに収めて、鋳造したてのもんじゃ焼きを口に運んだ。
△材料(左上)。具材で土手を作り(右上)。汁を流し込む(中央左)。リズムよく混ぜて(中央右)。これがまさしく「もんじゃ焼き」
うまいな。味はしっかりしているし、ビールが欲しくなる。次に予定が控えていたのであきらめたが、夏場にビールでやるというのもうなづける。猫舌も心配したが、思ったよりもパクつくことが出来た。お好み焼きやたこ焼きとは全く別の食べ物だ。やっぱり食事としてというよりは、ビールのアテかおやつにしかならないかなぁとは思うものの、文字を書きながらチビチビつついて文字の話をしてみるのも良いもんだなと思った。浮かんだタイトルが「もんじゃってなんじゃ?」というベタ路線では、大した話も出来ないと思うが…。