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ATypI Dublin 2010 / Main Conference(2)

日曜日, 9月 12th, 2010

ATypIのメインイベントは開催期間中の後半3日間、場所をダブリン城に変えて行われます。こちらの会場は2つのホールに別れていて、大きい方が400人ほど入るホールで、もう一つが100人くらい。Robert Bringhurstの基調講演に始まり3日間で65ほどのプログラムが行われます。Marian BantjesやUnderwareの講演など見所は満載。こちらでも昼食時にいろいろな方と隣り合わせになり、話をする機会がある。また夜にはNational Print Museumへの見学ツアーもあり、古い印刷機や活字鋳造機をデモンストレーションしてもらい見ることができた。

休憩の合間には、近くにあるトリニティーカレッジ博物館に展示されているケルズの書を見に行ったり、街を散策して歩いてみたり、裏にある美術館で古今東西の写本を見たり文字にどっぷりと浸れる5日間にできる。時間の都合で参加できなかったが、街の中の看板や碑文を見て歩くタイプウォークツアーもあったり5日間の間にたくさんのプログラムが行われる。そして最後の晩には、アイルランド、ダブリンと言えばギネスビール。醸造工場にあるレストランで親睦会が行われた。

左:メイン会場のあるダブリン城。右:敷地内にある建物にメイン会場が設定された。

左:メインホールは約400人程の収容。右:第二会場は100人程が入ることができる。

左:Dan RaynoldsはKlingspor foundryとVictor Hammerの書体について。右:Jean François PorchezとCiaran Ogaoraとの対談。

左:Erik Spiekermann, David Berlowなどがパネリストとなったディスカッション。右:UnderwareのBas Jacobsは最新作Book of war, mortification and loveなどを披露。


左上:National Print Museumへ見学ツアー。右上:National Print Museum建物外観。
左下:ライノタイプ機で活字鋳造のデモンストレーション。名前を鋳造してもらうことができた。 右下:参加者でにぎわう館内。所狭しと数々の古い印刷機、鋳造機が並ぶ。ほとんどが動態保存されていて、引退した職人がデモンストレーションをしてくれた。参加者の目が熱い。

左:会場裏手にあるChester Beatty Library。古今東西の聖典が展示されていた。右:アイルランドの国宝とされている8世紀頃に制作された写本聖書、Book of Kellsを見にTrinity College Museumへ。美しい装飾が施されたケルティック文様がとても美しい。

街の主要な移動手段はトラムとダブルデッカー。ここのトラムは最新式でとてもカッコいい。ハーグはトラムの方が多いがここダブリンはダブルデッカーが沢山走っている。

左:Timothy Donaldsonはカリグラフィーパフォーマンスを3日間ずっと行っていた。右:会場内ロビーには書籍展示やTDC2の受賞作品が展示されていた。コーヒーブレークにはここで皆が歓談。

左:休憩時間を使って近くの教会、Christ Churchへ。ステンドグラスが美しい。右:たまたま聖歌隊が練習に来ていて美声を楽しませてもらった。教会で聞くハーモニーは自然のエコーがかかって鳥肌が立つ。



見たいプレゼンテーションは沢山あるが、一日中会場で座っているのもしんどいので、たまに街を散策する。いろいろな看板やサインを見るのもおもしろかった。

左:夜には参加者とバーに行って飲むことも。右:いろいろな話題が弾んで夜遅くまで楽しい時間が続く。

アイルランド、ダブリンと言えばギネスビール。最終夜は、醸造工場にあるレストランで懇親パーティが行われた。ギネスビールをたっぷり味わってとても賑やかなパーティーになった。

残念ながら翌日から学校が始まる(既に学校は始まっているのを休んで来た)のでフライトの関係で麥倉さんとKOKINさんのプレゼンテーションを見ることができず帰らなければならなかったのが残念。日本の書体事情やタイポグラフィーをテーマにした講演がどういう反応になるかも知りたかった。今後ももっと日本語をテーマにしたプレゼンテーションが増えて行くと面白いと思う。いつかテーマを見つけてプレゼンテーションしてみたいとも思うが、何年先になるやら。

次回ATypIは2011年9月にアイスランド、レイキャビクで予定されています。その次の候補地もアナウンスされていて、アルメニア、エレバンが候補地になっています。