Author Archive

ICOCA with 竹

金曜日, 6月 20th, 2008

最近所用で関西へ戻ることが多い。兵庫県に住んでいた頃は阪急電鉄を利用することが多かったが、新幹線からの乗り継ぎはJRの方が便利なので、帰郷時には良く乗るようになった。JR西日本の車両にも情報モニターが付くようになり、エンドレスでクイズやCMが流れている。


JR西日本のICOCAをマスコットキャラクターのカモノハシのイコちゃんがPRしている。吹き出しにセリフ。選ばれた書体がモリサワの「」。イコちゃんの声にぴったりだったのが「竹」だったのだろう。

「竹」は直線的なデザインでありながら、自然な骨格を持っているので、角張ったカタチをしているのに硬い印象は無い。細かく見ていくと、交差部の画が込み入った所の濃度を調整するために、太さに変化を付けたり、斜線同士の交差部も、まっすぐ交わっているように見せる錯視補正がされている。欧文でもちょうどXの交差部に施すような補正を「竹」では至る所で施しているようだ。直線的な画の構成で、実は画面表示にも向いているんじゃないだろうか?(考え過ぎか?)使うときにそこまで詳しく見ないけど、「竹」は和のテイストがあってカジュアルな印象が出せるのでパッケージにも使ってみたいなとずっと思っている。

この書体は、かつて行われていた「国際タイプフェイスコンテスト モリサワ賞1993」で銀賞を受賞した書体で、長い間暖められてモリサワライブラリに加わった。作者の竹下直幸さんは和欧問わず書体に詳しく、街中を一緒に歩いていると目の前の書体を指して書体名を教えていただける。ご自身のブログでも2006年の一年間「街でみかけた書体」という企画を続けられていたが、当時まだリリースされていなかった「竹」を街中で発見したときの感想を伺ってみたい。